はじめに

採用活動を経て、優秀な人材を確保できたとしても、入社後にギャップを感じて早期退職してしまうケースは少なくありません。「思っていた仕事と違った」「職場になじめない」といった理由での離職は、企業にとっても大きな損失となります。そのため、採用後のフォローやオンボーディング（新入社員の定着支援）は非常に重要です。

そこで今回本記事では、入社後のギャップを防ぎ、新入社員がスムーズに活躍できるようにするためのオンボーディング施策について詳しく解説します。

入社後のギャップが発生する理由

新入社員が入社後に感じるギャップの主な原因は以下のようなものです。

(1) 仕事内容に関するギャップ

• 採用時の説明と実際の業務内容が異なる
• 期待していたスキルを発揮できる業務に携われない
• 仕事の進め方や評価基準が不透明

(2) 企業文化や人間関係に関するギャップ

• 職場の雰囲気が思っていたものと違う
• チーム内でのコミュニケーションが取りづらい
• 社内のルールや文化に適応できない

(3) 教育・サポート体制の不足

• 研修やマニュアルが整っていないため、業務の進め方が分からない
• 相談できる人がいないため、孤立してしまう
• フィードバックが少なく、自身の成長を実感できない

このようなギャップが発生すると、新入社員はモチベーションを失い、早期退職につながるリスクが高まります。これを防ぐために、企業は適切なオンボーディング施策を実施する必要があります。

オンボーディングの重要性

(1) オンボーディングとは？

オンボーディング（Onboarding）とは、新入社員がスムーズに業務に適応し、企業文化になじむためのプロセスのことを指します。単なる入社手続きや研修だけでなく、長期的なフォローを含めた包括的なサポートが求められます。

(2) オンボーディングを行うメリット

• 早期離職を防ぐ（適切なフォローにより、新入社員の定着率が向上）
• 生産性の向上（業務にスムーズに適応し、即戦力として活躍できる）
• 社内のコミュニケーション活性化（上司・同僚との関係構築を促進）
• 企業ブランドの向上（新入社員が満足すれば、企業の評判も良くなる）

では、具体的にどのようなオンボーディング施策を行えばよいのでしょうか？

企業が実施すべきオンボーディング施策

(1) 入社前のフォロー

入社前から新入社員とコミュニケーションをとることで、不安を軽減し、スムーズなスタートをサポートできます。

⚫︎具体的な施策

• 内定者向けのオリエンテーションや交流会を実施（社内の雰囲気を事前に知ってもらう）
• 業務内容やキャリアパスについて詳細に説明する資料を提供
• メンターやチームメンバーと事前に顔合わせを行う

(2) 入社初日のサポート

入社初日は新入社員にとって緊張の連続です。この日をスムーズに迎えられるよう、企業側は細かな配慮が必要です。

⚫︎具体的な施策

• 上司やチームメンバーとのウェルカムミーティングを実施
• 業務ツールの使い方や基本ルールを説明（メール・チャットの使い方、勤怠管理など）
• オフィスツアーやバーチャルオフィス紹介を行う

(3) 研修・教育プログラムの充実

新入社員が業務にスムーズに適応できるよう、体系的な研修を用意しましょう。

⚫︎具体的な施策

• 入社後1ヶ月間の研修プログラムを作成（業務基礎、社内制度、企業文化など）
• OJT（On-the-Job Training）を活用し、実務を通じてスキル習得を支援
• オンライン学習ツールやeラーニングを活用

(4) メンター制度の導入

新入社員が相談しやすい環境を整えるために、メンター制度を導入するのも効果的です。

⚫︎具体的な施策

• 年齢の近い先輩社員をメンターとして割り当てる
• 定期的な1on1ミーティングを実施し、悩みをヒアリング
• ランチ会やカジュアルな交流の機会を設ける

(5) 定期的なフィードバックとフォローアップ

新入社員の成長を支援するためには、定期的なフィードバックが欠かせません。

⚫︎具体的な施策

• 入社1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に面談を実施
• 上司・メンターから具体的なフィードバックを提供
• 成長を実感できる目標設定を行い、評価基準を明確にする

まとめ

新入社員が入社後にギャップを感じないためには、以下の施策を実施することが重要です。

1. 入社前からのフォロー（オリエンテーションや事前交流を実施）
2. 入社初日のサポート（職場案内やチームミーティングを行う）
3. 研修・教育プログラムの充実（OJTやオンライン学習を活用）
4. メンター制度の導入（相談しやすい環境を作る）
5. 定期的なフィードバックとフォローアップ（成長を支援し、適応を促す）

採用活動は「入社したら終わり」ではなく、「定着して活躍できるかどうか」が成功のカギを握ります。企業として適切なオンボーディングを実施し、新入社員の定着と成長をサポートしていきましょう。

採用活動に関するお悩み、お困りごとを抱えている企業様は、ぜひ一度人財企画までご相談下さい！