構造化面接って何⁇面接時の効果的な質問例を紹介‼
2024.7.23
目次
はじめに
採用担当者が何名かいて、面接を担当する人によって評価にバラつきがある、などといったお悩みを抱えている企業は少なくないのではないでしょうか。そのような場合は、「構造化面接」を実施することによって、採用活動の質を高められるかもしれません。
構造化面接って何?といった採用担当者のために、今回本記事では、構造化面接の特徴や、そのメリット・デメリット、さらには面接時にするべき効果的な質問例を併せて紹介していきます。
構造化面接とは
構造化面接とは、予め決めておいた評価基準や質問項目に従って実施する面接のことです。面接内容や質問項目がマニュアル化しているので、面接担当による個人差がありません。どの面接官が面接を行っても、候補者に対して同じ質問を決められた順番で行うことができます。また、面接官の経験や主観などによって、候補者が評価されるといった事態を避けることができます。
構造化面接とは、元々臨床心理学において、カウンセラーが相談者をアセスメント(観察・評価)する時に用いられるアプローチ方法の一つであり、その歴史はとても古いです。
面接官によってのバラつきが出ない面接方法の1つとして、近年多くの企業の採用活動でも構造化面接が注目を集めています。
構造化面接のメリット
構造化面接を導入した際のメリットとして、代表的なものを3つ紹介していきます。
面接官によって評価にバラつきがでるのを防げる
構造化面接は、予め評価基準や質問項目が決められているので、それぞれの面接官によって評価にバラつきが出るといった事態を防ぐことができます。
評価にバラつきが出てしまうと、選考に時間を要してしまったり、採用すべき人材を逃してしまう恐れがありますが、構造化面接によって評価基準が決められていれば、素早く選考を進めることが可能になります。
ミスマッチを防げる
はっきりとした明確な評価基準は、採用活動におけるミスマッチを防げる可能性もあります。面接のマニュアル化によって、それぞれの面接官によって評価基準に差が出るといったこともなく、候補者を客観的且つ、公平に評価することが可能になります。
その結果、採用すべき優秀な人材を逃してしまったり、ミスマッチ人材を採用してしまうといった事態を防ぐことができるようになります。
効率化が図れる
構造化面接を行っていない企業の場合、自由な質問がそれぞれの面接官から行われるので、質問を考える時間が生じたり、採用・不採用を決めるための評価の判断材料にならない話が続いてしまったりする可能性もあります。
ですが、構造化面接を行っている企業の場合、予め質問項目が定められているので、面接官が求めている情報を収集しやすいでしょう。面接時間には限りがあるため、その時間の中で効率的に採用活動を行うことができます。
構造化面接のデメリット
次に、構造化面接を導入した際のデメリットとして、代表的なものを2つを紹介していきます。
堅いイメージを与えてしまう可能性がある
構造化面接では、予め質問項目が決められているので、面接官が自由に質問したり、話を振ったりといった面接とは少し違う雰囲気になることが予想されます。そうすると、候補者によっては、機械的な印象や、お堅いイメージを感じてしまう人もいるといったデメリットがあります。
面接時の雰囲気によって、候補者は緊張してしまったり本来の自分を出せなかったりといった恐れもあります。自由に質問などが飛び交わないので、面接の雰囲気作りといった観点では少し努力が必要になってくるかと思います。
候補者の発想を引き出しにくい
構造化面接では質問項目や質問する順番が決められているので、候補者のエントリーシートだけでは知り得なかった一面や、それぞれの良さや自由な発想を引き出しにくくなってしまうといったデメリットもあります。
構造化面接は候補者のスキルや能力を客観的に評価することは可能ですが、候補者の本来の人柄や潜在能力、価値観を把握することまでは難しい可能性があります。
効果的な質問例
大前提として、構造化面接では“過去の経験に基づいた質問をする”「行動面接」と、“未来志向の仮説に基づいた質問をする”「状況面接」を組み合わせて行うことが効果的だと言われています。
行動面接と状況面接の内容と質問例を1つずつ見ていきましょう。
行動面接
行動面接とは過去の経験に基づいた質問をして、回答から志向性や特性などを見極める面接のことを指します。
よく聞く質問ですと、「学生時代、最も達成感を感じた出来事を教えてください」のような質問から、下記の4項目を質問して話を広げていき、候補者に対する理解を深めていきます。
・当時の状況
・抱えていた課題
・その時の行動
・成果、結果
行動面接の質問例としては以下があげられます。
●当時の状況
・あなたはどのような役割でしたか?
●抱えていた課題
・どのような壁にぶつかりましたか?
・どのような目標を掲げていましたか?
●その時の行動
・どのように壁を乗り越えましたか?
・目標達成のためにどのような行動を起こしましたか?
●成果、結果
・目標は達成できましたか?
・結果に対しての周りの反応はどうでしたか?
状況面接
状況面接は、未来志向の仮説に基づいた質問をして、候補者の問題解決力や考え方を見極める面接のことを指します。
自社で実際に起きたことのある事象や、起こりそうな状況を仮定した質問をすることで、候補者の問題への対応力がイメージしやすく、採用の可否の判断材料になります。
状況面接の質問例としては以下があげられます。
●質問例
・お客様から○○○○といったお叱りを受けたら、あなたはどのような対応を行いますか?
・1~4(それぞれの仕事内容、ボリューム、納期を設定)の業務をどのような順序で行いますか?
まとめ
以上、本記事では、構造化面接の特徴や、そのメリット・デメリット、さらには面接時にするべき効果的な質問例を紹介して参りました。構造化面接を詳しく知らなかった、導入を考えている採用担当者の皆さんは、ぜひ本記事を参考に今一度検討してみて下さい。
自社の採用活動にプロ目線でのアドバイスが欲しい、自社だけで行う採用活動に限界を感じているなどといった、採用活動に関するお悩みを抱えている採用担当者は、一度人材企画までご相談ください!