近年、企業が求める人材を募集・採用するにあたって、「ペルソナ」を設計する方法が主流になっています。本記事では、ペルソナとは何なのか、ペルソナを設定するメリットや、設定の流れ、採用活動への活用方法などを解説します。

ペルソナとは？

ペルソナとは、主にマーケティングで使われる用語で、商品やサービスを利用する顧客モデルのことです。採用活動における「ペルソナ」とは、自社が採用したい人物像のことを指します。

ペルソナとターゲットの違い

採用活動を行う上で、採用ターゲットを明確にすることが大切であることは広く知られています。では「ターゲット」と「ペルソナ」は、何が違うのでしょうか。

ペルソナとターゲットの違いは人物像を設定する際の細かさです。

ターゲットは年代、性別、居住地、所有資格などのスペックを元に人物像を想定したもので、ペルソナは価値観、趣味、行動特性なども含めて一人の人物像を詳細に想定します。

＜ターゲット設定の例＞

・男性

・20代後半

・社会人経験5年程度

＜ペルソナ設定の例＞

・男性

・28歳

・独身（結婚の予定あり）

・ハウスメーカーに新卒入社し、5年間営業として勤務

・年収450万円

・結婚を視野に、土日休みで残業が少なめの企業に転職を考えている

・趣味はアウトドア

ペルソナ設定の重要性

厚生労働省の調査によると、新卒社員（大卒）の就職後3年以内の離職率は31.2％となっており、3分の1に近い人数が早期に離職していることがわかります。労働人口が減少傾向にある中、企業としては早期の離職は出来る限り防ぎたいものです。

早期の離職を減らすためには、ペルソナを設定して自社の必要とする人材を明確にし、採用のミスマッチを防ぐことが必要です。

ペルソナ設定で得られるメリット

ペルソナを設定するメリットの1つとして、採用したい人物像について社内で認識のズレを防げることが挙げられます。社内で認識にズレがあると、選考時に適切な判断ができないリスクや、それにより入社後のミスマッチに繋がるリスクが発生します。

また、ペルソナ設定をすることによって、自社が発信すべきメッセージが明らかになり、求める人材からの応募を得やすくなる効果も期待できます。採用活動の効率化のために、ペルソナ設定は非常に重要と言えます。

ペルソナ設定の流れ

具体的にペルソナを設計するための方法を4ステップで解説します。

STEP1.求める人物像の要件を書き出す

まずは、自社が求める人物像の要件を書き出していきます。必要なスペックだけでなく、人柄や趣味などについてもイメージしましょう。

実際に自社で活躍している社員を参考に近い人物をイメージしたり、優秀な社員の適性検査の結果を元にするのも良いでしょう。

STEP2.詳細な人物像（ペルソナ）をつくる

次に、STEP1で書き出した人物像の要件をまとめながら、より詳細な一人の人物をイメージします。

現在の仕事内容、ポジション、年収、転職理由、居住地、家族構成、趣味など、パーソナルな情報まで具体的に設定していきます。

STEP3.ペルソナを現場のイメージとすり合わせる

ペルソナは、経営陣が求める人物像だけで設定するのではなく、現場の社員が求める人物像である必要があります。ペルソナ設定をする場に現場の社員にも参加してもらうか、仮に設定したペルソナを現場の社員に確認してもらうなど、現場とのすり合わせを行うようにしましょう。

その際、経営陣と現場、どちらの要望も全て取り入れると、非現実的なペルソナになる可能性もあります。現実的なペルソナになるよう、ペルソナを1つでなく複数パターン設定することも検討しましょう。

STEP4.就職市場に合わせて要件を絞り込む

次に、設定したペルソナが実際の就職市場に合っているのかを検証していきましょう。当てはまる人材が少ないことが想定される場合には、あえて少ないターゲットを狙いに行くか、条件を緩めるか、検討する必要があります。

採用活動でのペルソナの活用方法

ペルソナが完成したら、いざ採用活動に活用していきましょう。どのように活用したら良いのか、解説します。

ペルソナが存在している媒体の選定

採用サイト、人材紹介、スカウトサービス、合同説明会など、求人を行う手法は様々です。ペルソナへアプローチできない媒体を選定してしまっては意味がありませんので、今回設定したペルソナに対して、最も適した媒体は何か検討します。

ペルソナに応じた募集要項・メッセージの作成

次に、ペルソナに合わせた募集要項やメッセージを作成します。ペルソナにとって魅力的な内容になるよう、ペルソナがどんなことを考えて就職活動をしているのかをイメージすることが大切です。この際、誰が見ても魅力に感じる内容ではなく、設定したペルソナ1人が魅力に感じる内容にすることを意識しましょう。

まとめ

本記事では、ペルソナとターゲットの違いや、ペルソナを設定するメリット、設定の流れ、採用活動への活用方法を解説しました。これから採用活動にペルソナ設定を取り入れる場合には、本記事を参考にしてみてください。

活用の仕方が分からない場合や、忙しくて自社で取り組むことが難しい場合には、ぜひ当社、人財企画にご相談ください！採用のプロが、ペルソナの設定はもちろん、実際の採用活動のサポートや、採用効率化のご提案をいたします。